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2018年度防災教育交流フォーラム

2018年度実践団体の紹介

2018 防災教育チャレンジプラン・防災教育交流フォーラム


「2018年度防災教育交流フォーラムの様子」

 去る2018年10月27日・28日の両日、東京都文京区にある東京大学地震研究所において『2018年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。
 今年度のフォーラムは、『一人ひとりが防災・減災について確実に学ぶべきことは何か?
~そのために学校・地域・家庭はどう連携するか~』と題し、延べ人数163名の方にご参加いただきました。
  1日目は防災教育交流会として、専門家による基調講演と、過去の防災教育チャレンジプラン実践団体など、防災活動を実践している団体の方々により「学校からの視点」と「地域からの視点」の2つのテーマに分かれての分科会を、2日目は防災教育チャレンジプラン実践団体による中間報告会を行いました。

 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。


1日目:防災教育交流会

■趣旨説明『防災教育交流フォーラムに期待するもの』

林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)  趣旨説明では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「先日開催された防災推進国民大会2018でも防災教育に関連した様々な発表があった。今回、「防災教育の次の10年を考える」を一つのテーマにしているが、防災教育のこれからについて発表事例を取り入れながら考えていってほしい」とご挨拶いただきました。

佐谷 説子様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))  佐谷 説子様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「先日開催された防災推進国民大会2018を踏まえて、さらに今後の10年を考えていきたい。防災教育に正解というものはなく、大切なのはベストプラクティスの共有だと考えている。防災教育チャレンジプランを他の団体の方の発表を取り入れる機会として頂きたい」とご挨拶を頂きました。


■基調講演

○廣井 悠 様
【東京大学大学院工学系研究科 准教授】

廣井 悠 様(東京大学大学院工学系研究科 准教授)  『今後の都市防災/防災まちづくりを考える』をテーマにご講演をいただき、「都市防災とは単に物理的被害を軽減するだけでなく、いい地域を創造する取り組みである」「都市防災と防災まちづくりの特徴は客観性・地域性・多様性であり、この3つの特徴を考慮することが都市防災を円滑に推進していくためには重要である」「これからの都市防災では、将来こういう街にしたいから、こういう防災まちづくりをするという価値観の創造とビジョン作りが必要であり、そのためには防災教育と地域防災の両方が重要となる」などのお話をいただきました。

○木村 玲欧 様
【兵庫県立大学環境人間学部/大学院環境人間学研究科 准教授】

木村 玲欧 様(兵庫県立大学環境人間学部/大学院環境人間学研究科 准教授)  『学校からの視点でどう防災教育を考えたらよいか』をテーマにご講演をいただき、「これからの大災害時代で重要なのは『ひとごと意識』でなく、『わがこと意識』を持つことであり、これが学校における防災教育の課題となっている」「防災教育プログラムは地理的特性・地域的特性・組織的特性の相違により、画一的なプログラム・指導案では成立しないため、良い先例を感謝しながらアレンジして使うことが大切である」「訓練を通じ、災害時の行動のパッケージ化を行うことで、本番でも適切な判断や正確な行動に応用させることができる」などのお話をいただきました。


■防災関係各界の代表者等による分科会

 防災活動を実践している団体の方々により、防災教育における各位の取組の紹介と“学校からの視点” “地域からの視点”をテーマとした分科会を行いました。

<各位の取組紹介>

二宮 隆三 様【西予市立皆田小学校 元教頭】

○二宮 隆三 様
【西予市立皆田小学校 元教頭】

 「ジオと向き合った防災教育」をテーマに、平成30年7月豪雨時の体験談や、小学校理科の学習要領に記載されている「実感を伴った理解」をキーワードにした防災教育へのアプローチについてご紹介いただきました。

 

高橋 教義 様【仙台市立郡山中学校 元校長】

○高橋 教義 様
【仙台市立郡山中学校 元校長】

 「学校と地域が協働し、中学生が主導する防災教育の活動推進プラン」をテーマに、体系的プログラムのもとに、中学生が地域の様々な組織や人々と連携・支援し合って防災教育を学んでいることをご紹介いただきました。

 

五藤 祐司 様【名古屋市立工芸高校 教諭】

○五藤 祐司 様
【名古屋市立工芸高校 教諭】

 学校の防災チームが今まで実施している防災教育に関する具体的な取組みについてご紹介いただくと共に、最近では生徒による近隣学区宿泊防災訓練のプロデュースをするなど、地域の様々なコミュニティから防災教育について声が掛かるようになったとお話いただきました。

 

南島 正重 様【東京都立両国高等学校付属中学校 主幹教諭】

○南島 正重 様
【東京都立両国高等学校付属中学校 主幹教諭】

 「正しく恐れるために地震を趣味に」をテーマに、安全性の向上に伴う危険予測の能力が麻痺している現代における、理科教育の中で日本の災害文化を培うことの重要性について、マウスを利用した地震計を作成するなどの学校での具体的な取組みのご紹介を交えて お話いただきました。

 

杉本 篤子 様【「やさしい日本語」有志の会】

○杉本 篤子 様
【「やさしい日本語」有志の会】

 外国籍住民のための防災教育」について、「やさしい日本語講座」や「外国人のための防災講座」の実施、地域のハザードマップ等を活用した日本人(地域住民等)とのグループワークの実施等「やさしい日本語」有志の会の取り組みについてご紹介いただきました。

 

井上 浩一 様【防災ネットワークプラン 代表】

○井上 浩一 様
【防災ネットワークプラン 代表】

 不燃化促進、防災生活圏、まちづくり協議会、防災計画策定などの「防災まちづくり」やワークショップ、防災教育のデザイン、防災訓練の実施、防災まち歩き等の防災教育などより良く生きるための防災をめざした防災ネットワークプランの取り組みについてご説明いただきました。

 

鍵屋 一 様【跡見学園女子大学 教授】

○鍵屋 一 様
【跡見学園女子大学 教授】

 「地区防災計画作成で防災教育の推進を」について、高知市と市原市の事例からご紹介いただきました。地区防災計画は自助、公助をつなぐ共助の計画としての位置づけであることや、地区防災マネジメントのプロセスにおいて重要なポイントをご説明いただきました。

 

瀧川 猛 様【千葉県立長生特別支援学校 教頭】

○瀧川 猛 様
【千葉県立長生特別支援学校 教頭】

 千葉県立東金特別支援学校の校長として2011年に初めて防災教育プランに参加したことや当特別支援学校ではいまでも防災教育が継続できていること、それは地域との密接な関係が構築されていること、また防災教育を通じて子供たちに発信する力が強まったことや保護者の意識が変わったことをご説明いただきました。

 

○意見交換会

各パネリストの活動紹介後、実行委員のコーディネートで各分科会のテーマについて意見交換を行いました。その後質疑応答も行われ、それぞれ終始活発な意見が飛び交う場となりました。

「学校からの視点」についての分科会

  • 学校と地域の連携方法(キーパーソンの見つけ方)
  • マニュアルの必要性  等
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/yc9Qsja1eQI

「地域からの視点」についての分科会

  • 防災教育を行う仲間の増やし方
  • 地域防災の進め方  等
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/0IxLQKXuvuI

2日目:中間報告会

■開会挨拶

 開会挨拶では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「中間報告会という場で、各16実践団体の皆さんに進捗報告をしてもらいます。実践団体の皆さんには、計画書を提出してもらっていますが、そのプロジェクトに固執する必要はありません。昨日交流会で「ベストプラクティスの共有」とお伝えしましたが、本日の他団体との交流を通じて、他の団体の良い所を取りいれて、より充実してずっと続いていける活動になればよいと思います。」とご挨拶いただきました。

石垣 和子 様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当))  石垣 和子様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当))より、「防災教育チャレンジプランは、今年で15年目ということで、おそらく平成最後の節目となる今年は、重要な大会になると思う。自分を助け、また周りを助ける、子供の命を守り社会に貢献する防災教育は非常に重要だと思っており、真摯に取組む皆様に敬意を表したいと思う。16団体の皆さんには、有識者の先生のコメント、他の団体の活動を参考にしながら今後の取組活かして欲しいと思う。」とご挨拶いただきました。

■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間発表会は、2018年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(16団体)が、これまでの活動経過や今後の課題を発表し、実行委員からのコメントをもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることが目的です。
 実行委員からのコメントは各団体へ配布され、良かった点や改善点、アドバイスなどが伝えられました。
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyCETxXAdkgCZbRD0mO9cCYxAjWOVGSq4

 なお、会場の一角では、実践団体の活動をまとめた写真やポスターなどが展示され、来場者の方は熱心にご覧になっておりました。



 最後に、林 春男委員長より閉会の挨拶として、「取組が順調に進んでいる団体もあれば、地に足が付いていないような団体もあり、中間報告会らしい発表でした。取組が進んでいる団体は、2月まで気を抜かずに活動を進め、体系化するところまでを目指して欲しいと思います。また、これまでの経験では、中間報告会では躓いている団体が後半盛り返して大化けすることがよくあります。是非とも頑張って下さい。2月の発表を期待しています。」とお話しいただきました。
 なお、今年度の最終的な成果報告は、2019年2月23日(土)に東京都内(会場未定)で開催する予定です。防災教育にご関心のある方は、是非ご参加ください。

【防災教育チャレンジプラン事務局】