●若い人たちの防災に関わる能力の向上を図るため、防災教育活動の情報提供の場としてこのサイトを運営しております●
防災教育チャレンジプラン
サイト内検索 
防災教育チャレンジプラン募集 2005年度チャレンジプラン団体の紹介 防災教育事例集→検索 防災教育Q&A チャレンジプラン実行委員会のコラム 防災教育に役立つリンク集

ホーム > 2004年度実践団体の報告「防災一座」

2004年度実践団体の報告

防災教育の素材で探す  イベントとして実施したい  総合学習や選択授業で実践したい

防災一座  実践団体の紹介・連絡先 2005年度近況報告書(PDF)
1年間の実践の流れ | 学習の内容 | プランの効果メリット | 最終報告会資料(PDF) | 最終報告書(PDF)

プラン名 −乾パンだって美味しく食べたい!−
提案「学校給食で乾パンを美味しく食べよう!」
対象・参加人数 ・ 試食会 : 子どもたちを中心にした不特定多数、老若男女
名古屋市東山学区連絡協議会の皆さん、防災一座会員や関係者の皆さんなど
・ モデル教室1: 親子(小学生):40名
・ モデル授業2:親子(小学生)、PTA、地域の皆さんなど :30名
・ モデル教室3 : 小学生、親(保護者)、PTA、地域の皆さん、先生など :50名
・ モデル教室4 : 主婦、親子、地域の皆さんなど :40名
*  行政との意見交換会 : 行政関係者など :10名(予定) など
実施期間  
目 的 「食」を通じた身近な防災を具体的に提案すること。そのための調査と研究、教案づくり、モデル教室の実践とその提案。(子どもたちに乾パンの美味しい食べ方を伝え、自治体等と協働して備蓄食料を有効に消費するための提案をしたい。非常食をネタにした防災教育の実践例とアンケート結果などを報告し、だれもがマネできる「身近な防災」の知恵の発信と共有化を目指す。目的は実践を通じてたくさんの子どもたちの笑顔に会うこと!です。)
内 容

・ 乾パン料理のレシピ開発(定番/創作、他団体との協働開発)
・ 試食会とアンケート調査:
 1.名古屋市東山学区連絡協議会「わくわく!ドキドキ!サバイバル体験!」協力
 2.三重県総合防災訓練出展
 3.菰野町社協「けやきフェスタ」出展 など
・ モデル教室
 1.菰野町社協「菰野町親子防災クラブ」(防災体験教室とお料理教室)
 2.楠町子ども会育成者連絡協議会「フィールドキャンプ」
 3.四日市市立三重北小学校防災教室
 4. 四日市市北河原田女性会防災教室 など
・ 関連調査と研究:「乾パンあれこれ」
*  行政との意見交換会
など。まず、子どもたちに乾パンなどを身近な食べ物と感じていただくことから始めたい。「食で始まる防災教育」はきっと大人も楽しい!

【実践の内容】
事前教室「地震の話」
防災紙芝居・「地震って何だろう」
防災袋をつくってみよう
防災クッキング
試食・交流会
乾パン料理試食会とアンケート調査
だれもがマネできる防災クッキング

成 果 ○「避難訓練の参加者へ提供する乾パンにレシピを添えたらどうか。」など、行政の方からは有効利用する方向のアイデアもいただいています。

○自衛隊から「おもしろい!部隊にも伝えたい。」と資料請求があり、その後、伊賀上野の集まりでも話題になったそうです。
○三重北小防災教室では、先生から「防災袋実習では本物を見ているときの子どもたちの目がちがった。あんなに真剣な目は初めてみた。」、お母さん方からは「あんなに小さい袋にいろいろ入るんですね。また教えてください。」などのコメントやご感想をいただきました。また、料理教室には「私たち教師が今までには見たことのない子どもたちの笑顔や、あの子の思いがけない横顔や特技を見ることができた。よかった!」と嬉しい言葉をいただきました。そして後日、子どもたちから「感想文集」が届きました。私たちの「宝物」です。

○防災に関心を持ち、乾パン(防災袋)を用意した子もいるようです。「今年のバレンタインはこれでいく!」と張り切っている女子大生もみえます。また、家族の話題にもなり、少しは「家族のコミュニケーション」のお役に立ったようです。

○乾パンには「油」と「甘いもの」がよく合うことがわかりました。このことから、防災袋には、「@水、A乾パン、B焼き鳥缶(鶏肉の脂は低温で溶けるから)、Cジャム(ビタミン類)または蜂蜜(どちらも長期保存可)をセットにして入れておくことを提案します。

○また、吸水性が高く「うまみ」を逃がさないので、創作料理においては「つなぎの代わり」(豆腐ハンバーグ)や、「お汁を逃がさない」(おひたし)機能を持つことが経験上わかりました。

○実施団体(学校や自治会、婦人会など)と行政、NPOが協働して「防災お料理教室」を開く場合のスタイルは、例えばテーマを「食を通じた身近な防災」とし、@実施主体(場の提供)、A行政(乾パンやアルファ米などの食材の提供)、BNPO(ノウハウやレシピなどの提供)等とすれば、お互いの力がよく発揮できると思います。また、これに「防災公演」や各種「防災ワークショップ」などを組み合わせれば、おもしろいプログラムが出来上がると存じます。

○今回の挑戦にご理解いただいた自治体から乾パンや粉ミルクをご提供いただきました。

○乾パンの賞味期限についてですが、当初ご提供いただきました乾パン(缶入り)の賞味期限が「2004年1月」だったので焦りましたが、メーカーに問い合わせたところ、「缶入り乾パン(賞味期限:5年)の場合、期限切れから1年数ヶ月は安心して美味しく食べられます。」とのご回答を得ました。(2割強の猶予あり) これに基いて主催者などにご説明し、ご了解をいただいて調理用 (火を通すもの)等 として使いました。また、2003年11月に地元の防災設備会社様からご協賛いただいた新品の乾パンもあり、その支出をかなり減らすことができました。皆様のご支援に心から感謝申し上げます。

○「防災クッキング」は災害救援ボランティアによる長期避難所生活の支援の1つとして、被災者の気分転換や避難生活のアクセントになる可能性を感じます。「甘い香りに包まれて、お菓子を作りながら食べながら、別の時間が流れる中で自分の体験したことを話す、聞く」。簡単なお菓子づくりが一過性の楽しみだけになるのではなく、被災者自身のメンタルケアにもつながるのではないかと期待しています。

○今まで防災に縁遠かった中高年主婦層や若いお母さん方はもちろん、「防災クッキング」はご家族で楽しんで参加していただけることがわかりました。また、「マイ定番料理」や「私のオリジナル創作料理」で「防災お料理コンテスト!」など、応用してもきっと楽しいでしょう。高知市立大津小学校さんからは中間報告会の際に「乾パンお料理コンテストがしたい!」と嬉しいお声がけをいただき、資料提供させていただきました。ありがとうございます。皆さんにもどんどん真似していただきたいと存じます。

○今回の協働を通じて、異業種の他団体との連携も生まれました。ありがたいです。

○会員間の新しい関係もでき、いいところをたくさん再発見することができました。

○行政のデータや本音(給食への導入は大変難しいそうです。) も聞くことができ、別の角度から備蓄食を有効消費する提案を始めています。

○「防災クッキング」は、「食を通じた防災教育」という新しいコンセプトを提案しています。そして、これまでの防災教育の教案とさまざまに組み合わせることで変幻自在に応用でき、身近な防災教育の総合的なプログラム案を作り出す可能性を秘めていると思います。