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2019年度防災教育交流フォーラム

2019年度実践団体の紹介

2019 防災教育チャレンジプラン・防災教育交流フォーラム


「2019年度防災教育交流フォーラムの様子」

 去る2019年10月19日・20日の両日、愛知県名古屋市にある名古屋コンベンションホールにおいて『2019年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。
 今年度のフォーラムは、ぼうさいこくたい2019と連携して開催し『これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~』と題し、延べ人数271名の方にご参加いただきました。
 1日目は防災教育交流会として、防災教育行政関係者による基調講演と、過去の防災教育チャレンジプラン実践団体など、防災活動を実践している団体の方々と防災教育専門家によるパネルディスカッションを、2日目は防災教育チャレンジプラン実践団体による中間報告会を行いました。

 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。


1日目:防災教育交流会

■趣旨説明『防災教育交流フォーラムに期待するもの』

林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)  趣旨説明では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「防災教育に関わる方の交流をはかる場として防災教育交流フォーラムを毎年秋に開催している。今年度は、ぼうさいこくたいと連動というかたちで開催し、防災教育に関わる幅広い方の自主的な交流の場となることを期待している。」とご挨拶いただきました。

中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))  中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「近年の頻発、激甚化する災害のなかでハード対策など従来型の対策では乗り越えることは難しい。これからは自らがいのちを守る「自助」と周りと協力する「共助」の考えに基づいた災害時の行動が必須である。防災教育を通じて自助・共助の考える場となり、有意義な場となってほしい。」とご挨拶を頂きました。


■基調講演

○森本 晋也様
(文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 安全教育推進室 安全教育調査官)

森本 晋也様(文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 安全教育推進室 安全教育調査官)  『これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~』をテーマにご講演をいただき、「児童生徒等の安全に関する資質・能力を教科等横断的な視点で確実にはぐくむために、学校・地域・家庭等が連携したカリキュラムマネジメントの確立が必要である。」「学校・家庭・地域社会の実情・課題を踏まえ、防災を含む安全に関する教育の内容を整理することが必要である。」「避難訓練等を核とし、3つのキーワード「学習をいかに主体的にやるか・いかに自分ごととして課題意識を持つか・家庭地域といかに関わるか」を基に横断的な防災教育を実施し、事故や事件、自然災害が発生する日本で必要な「生き方」を児童生徒等自身に身につけさせる安全教育が重要である。」などのお話をいただきました。


■防災関係各界の代表者等によるパネルディスカッション

 防災活動を実践している団体の方々により、防災教育における各位の取組の紹介と『これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~』をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。

<各位の取組紹介>

五藤 祐司様(名古屋市立工芸高等学校 防災チーム)

○五藤 祐司様
(名古屋市立工芸高等学校 防災チーム)

 学校の防災チームの防災教育に関する取り組みとして、地域との連携や防災訓練等をご紹介いただきました。具体的には、区の防災訓練での福祉避難スペースの設営訓練等を通して地域に方へ向けた啓発活動や勉強会等の活動をご紹介いただきました。

 

棚橋 公郎様(社会福祉法人岐阜アソシア)

○棚橋 公郎様
(社会福祉法人岐阜アソシア)

 団体の歴史と自治体の避難訓練と学校行事を絡めて開催している防災運動会について、ご紹介いただきました。今年度は、台風のため中止となりましたが、来年度の企画として、水を背負って運ぶ「給水運搬〇×クイズリレー」や、救援要請を行う「SOSメッセージ体験」等をご紹介いただきました。

 

近森 美保様(高知県立大方高等学校)

○近森 美保様
(高知県立大方高等学校)

 「高校生が作る地区防災計画」をテーマに、地域の方と連携し、避難所生活を視野に入れた防災教育の実践的な活動として、逃げトレを使った避難実証実験とその結果を地区防災会議へ提案したこと等をご紹介いただきました。

 

幾島 浩恵様(上富田ふれあいルーム)

○幾島 浩恵様
(上富田ふれあいルーム)

 実際の災害時に自分たちに何ができるかを、具体的に考え行動できる「衣・食・住を自分で何とかすることができ、避難所では要配慮者に気づき、声をかけることができる」小学生を目指し、毎月の季節の行事に、防災に必要な知識と体験を取り入れることで防災を学べる行事を実施している旨をご紹介いただきました。

 

河合 英子様(愛知県西尾市立一色中部小学校)

○河合 英子様
(愛知県西尾市立一色中部小学校)

 「自他を思いやり、人とのつながりを求め、築く子どもの育成」をテーマに、地域の課題である海抜ゼロメートル地帯での防災教育として、つながりを広げ深めることを具体的な目標に、他学年・家庭・地域・自治体と連携した、学年ごとに異なる防災教育の活動と取組をご紹介いただきました。

 

○意見交換会

各パネリストの活動紹介後、林 春男様(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)、河田 惠昭様(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター センター長)のコーディネートでテーマ「これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~」について意見交換を行いました。

下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/yTaNwomTviY

2日目:中間報告会

■開会挨拶

 開会挨拶では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「今日は2月の活動報告会までの折り返し地点となるあくまで中間報告会です。防災教育チャレンジプランとして当初計画を立ててもらいましたが、この計画にこだわる必要はありません。他の団体で良いと思ったことを参考に、柔軟性をもってプランをより良いものに変えることを検討してください。自分の成果発表と同時に他の実践団体から学んでいただければと思っています。」とご挨拶いただきました。

 中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「防災教育について、教科ごとの横割りだけでなく小中高の縦割りを意識し、それぞれに防災教育の要素を入れていくことが大事です。今日発表いただく実践団体についても、小中高をはじめとした様々なレベルと内容になると思います。林委員長の挨拶にもありましたが、本日の発表を受けて、プランのブラッシュアップをお願いしたいと思います。
 また、昨今の災害は激甚化・頻発化しています。そういった中で一人ひとりの人間の力で自らを守り、周りで助け合うことで生き抜いていく力をつけていくことが、これからの防災の力となっていきます。チャレンジプラン活動の発展を期待しています。」とご挨拶いただきました。

■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間発表会は、2019年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(15団体)が、これまでの活動経過や今後の課題を発表し、実行委員からのコメント等をもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることが目的です。
 実行委員からのコメントは各実践団体へコメントシートとして後日配布され、良かった点や改善点、アドバイスなどが伝えられました。
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyCETxXAdkgABqcvZXN5xlVJZXo6q8Nzt


 最後に、林 春男委員長より閉会の挨拶として、「今日の発表の全体を通してのキーワードは「避難」ではないかと思います。日本語の「避難」という言葉は、英語の「Evacuation(命を守るための避難)」と「Sheltering(仮の生活をするための避難)」の2つの意味を含んでいます。ところが、日本語では「避難」と同じ言葉で呼んでいるため、どちらの意味を指しているのかが分からず、2つの意味を識別できない状態になっています。今日の発表では、すべての団体が「Evacuation」か「Sheltering」を実践している団体でした。
 なかには、その両方を実践している団体もありましたが、もっとこの2つを意識して活動してもらいたい。今日の発表を聞いて、「避難」という言葉の混合した概念をブレイクスルーしたいと強く感じました。2月の発表では期待しています。」とお話しいただきました。

 なお、今年度の最終的な成果報告は、2020年2月15日(土)に東京都文京区(東京大学地震研究所1号館)で開催する予定です。防災教育にご関心のある方は、是非ご参加ください。

【防災教育チャレンジプラン事務局】