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「2010年度防災教育交流フォーラムの様子」
去る2010年10月16日・17日の両日、東京有明にある「有明の丘基幹的広域防災拠点施設」にて「2010年度 防災教育交流フォーラムin有明の丘」が開催されました。
延べ人数180名の方々にご参加いただき、1日目は防災教育チャレンジプラン実践団体による中間報告会、2日目は防災教育交流会として、専門家による講演と地域で防災教育に取り組む団体による事例紹介と意見交換を行う、新しい試みの有意義なフォーラムとなりました。
《参 考》有明の丘基幹的広域防災拠点施設とは…
会場となる施設は、首都直下地震等の発生時に政府の現地対策本部が設置される施 設で、日本で初めて基幹的広域防災拠点として整備された施設です。
下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。
1日目:中間報告会
■開会挨拶
開会では、林 春男委員長(京都大学 防災研究所巨大災害研究センター センター長・教授)より、今年度で第7期を迎える防災教育チャレンジプランの主旨として「チャレンジプランは、実践団体のチャレンジを支援し、防災教育のコンテンツを資産として充実させており、ホームページ上にこれまでの取組成果を公開している。全国の関心のある方、手法に困っている方に防災教育の教材として使っていただきたい。」とご説明いただきました。
今年度は10月に防災教育交流フォーラムとして開催し、1日目の中間報告会は、「同じ志を持つ取り組みとの交流を促進できるようグループを考え、地域一般と高校を対象とする7団体、小中学生を対象とする5団体、災害時要援護者を対象とする5団体に分かれ、その中でお互いの試みから学び、工夫をしていただきたい。」また、2日目の防災教育交流会は、「来年度のチャレンジプラン募集の特別枠のテーマ“地域の特色を活かした防災力の向上”と関連した、一地域や地方の防災力を上げる方法について専門家による講演を聴講し、テーマに触れていただきたい。地域で防災教育に取り組む団体と交流をしていただきたい。」とご挨拶をいただきました。
■防災教育チャレンジプラン実践団体発表
中間報告会では、2010年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる17団体に、これまでの活動経過や今後の課題・目標を報告していただきました。
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実践団体の発表に対して、実行委員からのアドバイスなどがメモで伝えられ、総評として平田 直委員(東京大学地震研究所 所長・教授)から、3つのグループに分けて、各団体の良い点や今後の課題についてコメントをいただきました。
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■グループワーク
地域一般と高校を対象としている7団体(Aグループ)、小中学生を対象とした5団体(Bグループ)、災害時要援護者を対象とした5団体(Cグループ)に分かれ、それぞれテーマを掲げ、実行委員がファシリテーターになって、防災教育についての意見交換を行いました。
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グループワークの後、井上 浩一委員(防災ネットワークプラン 代表)の司会進行の元、各グループの代表者がグループワークで出た課題や課題解決方法を発表し、全体での意見交換を行いました。
様々な意見交換が行われ、各グループで課題となった連携 継続への手がかりを探りました。生徒や教員、地域、メディアを巻き込む メディアやツールを活用することが重要”といった意見が交わされました。
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2日目:防災教育交流会
■防災教育専門家による講演 〜少子高齢社会における地域防災力の向上に向けて〜
午前は4名の講師による講演を行い、越智 繁雄委員より「地方都市等における地震防災について」について、国崎 信江委員(危機管理アドバイザー 危機管理教育研究所 代表)より「食べることは生きること〜災害時の食を真剣に考える防災〜」について、宗片 恵美子様(特定非営利活動法人イコールネット仙台 代表理事)より「災害時における女性のニーズ調査 〜なぜ 防災・災害復興対策に女性の視点が必要か〜」について、河田 惠昭 様(関西大学 社会安全研究科長・社会安全学部長・教授)より「私の考える防災教育」についての講演を行われ、参加者は熱心に聴講されていました。
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■地域で防災教育に取り組む団体による事例紹介と意見交換
午後は、地域で防災教育に取り組む6団体より事例紹介としてご発表いただき、発表後は1日目のグループワークで課題に挙がった「連携」と「継続」について、各団体のお話を伺いました。
社会福祉法人岐阜アソシア さん、造形・絵画教室『アトリエ太陽の子』の皆さん、特定非営利活動法人コドモ・ワカモノまちingの皆さん、「地域の安全安心マップコンテスト」事務局の方、深川消防少年団の皆さん、特定非営利活動法人環境防災総合政策研究機構の皆さん、ご協力ありがとうございました。
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なお、報告会の一角では実践団体と事例紹介団体の活動をまとめたものや、冊子などが展示され、来場者の皆様は担当者と話しをしたり、熱心にご覧になったりしていました。
中でも、幼稚園児や小学生らが胸に手をあて心臓の音を聞き、命の大切さを感じながら描いたという造形・絵画教室『アトリエ太陽の子』の「命のヒマワリ」は、一際目を引いていました。
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最後に、林春男委員長より、来年度の特別枠“地域の特色を生かした防災力の向上”について「自分のいるところがより安全・安心な場所となるということは非常に重要である。」とお話いただき、「来年度以降もぜひ交流の場にご来場いただきたい。」とコメントを述べていただきました。
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実践団体の皆さんには、中間報告会での実行委員からのコメント、グループワークや各団体との交流の場で得たアイデアなどを反映させて、引き続きプランを継続していただいております。
今年度の最終的な成果報告は、2010年2月26日(土)に中間報告会と同じ「有明の丘基幹的広域防災拠点施設」で開催する予定です。防災教育にご関心のある方は、是非ご参加ください。
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【防災教育チャレンジプラン事務局:鈴木里絵】
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