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2015年度防災教育交流フォーラム

2015年度実践団体の紹介

2015年度防災教育交流フォーラム

「2015年度防災教育交流フォーラムの様子」

立教大学池袋キャンパス

 去る2015年10月17日・18日の両日、東京江東区にある有明の丘基幹的広域防災拠点施設において『2015年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。
 今年度のフォーラムは、『2023年度までに防災教育がするべきチャレンジ』と題し、延べ人数146名の方にご参加いただきました。
1日目は防災教育交流会とし防災教育専門家による基調講演と、防災関係各界の代表者による意見交換会、2日目は防災教育チャレンジプラン実践団体による中間報告会を行いました。
 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。



1日目:防災教育交流会

■趣旨説明『防災教育交流フォーラムに期待するもの』

林 春男委員長(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)  趣旨説明では、林春男委員長(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)より、「これまでは、防災教育を積極的に実践する支援を行うことを目的に取組を行い、今年3月の国連防災世界会議では、
"地域における防災教育の実践に関する手引き"を紹介した。これからの10年は防災教育の良い試みを体系化し、だれもが効果的な防災教育を実現できるようにしていきたい。2023年は、1923年の関東大震災から100年であり、その時には日本の防災教育がいかに充実しているか世界に発信していきたいとの思いから、今回、"防災教育の今後あるべき姿について 2023年度までに防災教育がするべきチャレンジ"をテーマに防災教育交流フォーラムを開催させていただいた。」とご挨拶をいただきました。


森本輝様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(調査・企画担当))  名波義昭様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(調査・企画担当))が職務によりご欠席されたため、代理で森本輝様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(調査・企画担当))より「防災の観点で官として何をやっていくか検討を行いたいと考える。一方、防災においては、個人の意識の向上を進める必要があり、公的な取組だけでは難しい面があり、その意味で防災教育の重要性は今後ますます高まっていく。」とご挨拶をいただきました。


■基調講演

今村文彦様(東北大学災害科学国際研究所 教授)  『防災教育の今後あるべき姿について〜第3回国連防災世界会議などを踏まえて〜』をテーマに今村文彦様(東北大学災害科学国際研究所 教授)よりご講演をいただき、「国連防災世界会議では、今後15年間の世界における防災枠組として仙台防災枠組が明確に示され、それに基づき仙台宣言が採択された。仙台宣言は、我が国の立場、思いを強く打ち出しており、国内外の被災地域等と連携し人材育成を進めること、自然リスクの認知等について、各地でどう取り組めるか3.11の教訓を積極的に発信すること、国際的に展開できる研究実績の普及等に積極的に取り組むこと、強靭な回復力のある社会の構築に向けた持続可能な開発を行うことなどについて示された。」「防災において、人が持つバイアスをいかに小さくできるかという点が重要であり、そのためには学ぶことが有効である。近年、様々な科学的データを可視化するツールが開発されており、それらを活用できる。」「津波に対する避難計画や意識向上の課題解決の取組として"カケアガレ!日本"がある。」などのお話をいただきました。



■防災関係各界の代表者による意見交換

 防災関係各界の代表者により、防災教育における各位の取組の紹介と"防災教育の今後あるべき姿について"をテーマとした意見交換を行いました。

<各位の取組紹介>
今村文彦 様(東北大学災害科学国際研究所 教授)

○研究者代表:今村文彦 様
(東北大学災害科学国際研究所 教授)

(基調講演において活動状況等のご紹介をいただきました)

 

櫻川政子 様(津市消防団津方面団デージー分団 分団長)

○消防関係者代表:櫻川政子 様
(津市消防団津方面団デージー分団 分団長)

 消防団は男性ばかりのイメージがあるが、女性隊員も全国各地で活動していること、津市消防団の活動状況として、子どもの火災被害を防ぐために楽しみながらの防火教育を進めていること、津市立三重短期大学の学生を部門別団員として採用し、若い力を取り込んでいることなどを紹介いただきました。

 

指田朝久 様(東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 主幹研究員)

○企業代表:指田朝久 様
(東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 主幹研究員)

 災害への備えについて、 ・災害発生時に従業員を帰宅させるか否かの判断 ・会社に残留させる場合の備蓄 ・地域における要援護者の支援 ・避難所の開設、学童の保護 などが必要で、これを踏まえたうえで企業が行うべき活動、役職・階層別に身につけなければいけない知識等について紹介いただきました。

 

佐藤公治 様(南三陸町立志津川中学校 教諭)

○教育者代表:佐藤公治 様
(南三陸町立志津川中学校 教諭)

 震災後、先生方で生徒の心のケア等を行ってきた経験を防災教育に生かしていきたいと考えていること、津波に対する防災のため、中学生全員が参加する少年防災クラブを設立し、子どもたち自らの判断で避難所の運営訓練等を実施していることなどを紹介いただきました。

 

辻誠一 様(奈良県上牧町桜ヶ丘2 丁目自治会 顧問)

○地域代表:辻誠一 様
(奈良県上牧町桜ヶ丘2 丁目自治会 顧問)

 2010年度の防災教育チャレンジプランへの参加で培ったノウハウを同士の方と共有し、次世代の地域の担い手の育成を目標に防災教育を実施していること、マンネリ化しないよう常に新しいことを模索し、外部の協力も受けながら仲間とともに活動を継続していることなどを紹介いただきました。

 

森本輝 様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(調査・企画担当))

○行政代表:森本輝 様
(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(調査・企画担当))

 防災に関し、国がどのようなことに取組んでいるか(法改正、制度の創設、世の中に対するPR活動)を紹介いただき、具体例として災害対策基本法の改正、防災推進国民会議の立ち上げや学習指導要領における防災に関する指導強化等についてお話いただきました。

 

○意見交換会

意見交換会の様子  平田直 様(一般社団法人防災教育普及協会 会長)のコーディネートで、以下の話題について防災関係各界の代表者6名による意見交換を行いました。

  • 防止教育を始めるにあたり必要なことは何か、またどういう点で苦労したか
  • いろいろな過去の災害を経験して、どうすれば災害の情報を伝えやすくすることが出来るか
  • 後継者を育てること、活動を継続するためにどのようなことに心がけているか
  • 防災に関する資格化について
  • 防災教育チャレンジプランやその他防災に対し期待すること

2日目:中間報告会

■開会挨拶

 開会挨拶では、林春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「他の団体の実践内容等で良いと思ったものはどんどん取り入れ、また団体間で交流を行い、活動を良いものにしていただきたい。また、活動に行き詰まりを感じたら“地域における防災教育の実践に関する手引き”なども参考にしていただきたい。」とご挨拶をいただきました。

滝澤様  名波義昭様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(調査・企画担当))より、「各地の災害現場に支援に行くと、災害に対し自らの力で適切に行動することの重要性を感じる。そのためにも防災教育というものが大事である。本日発表いただく各団体には、先生方のアドバイスや他の団体の活動報告も参考に、最終報告に向け引き続き取り組んでいただきたい。」とご挨拶をいただきました。

■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間発表会は、2015年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(13団体)が、これまでの活動経過や今後の課題を発表し、実行委員からのコメントをもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることが目的です。
 実行委員からのコメントは各団体へ配布され、良かった点や改善点、アドバイスなどが伝えられました。
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyCETxXAdkgD_FXLd-pS5dx4OhgnNFLou

福和伸夫委員(名古屋大学 減災連携研究センター センター長・教授)  また、澤野次郎委員(災害救援ボランティア推進委員会 委員長)からは、各実践団体の発表・取組内容に対して、団体ごとに良い点や今後の課題について総括のコメントをいただきました。

 なお、会場の一角では、実践団体の活動をまとめた写真やポスターなどが展示され、来場者の方は熱心にご覧になっておりました。



 最後に、林春男委員長より閉会の挨拶として、「防災教育のプログラムには、パフォーマー(良い題材、教材を組み立て、ストーリーを作り出す)としての取組とコンポーザー(新しいネタを作り出す)としての取組があると考えられる。防災教育を進める上でいずれも重要な要素であるので、他の団体の活動も参考にしながら、引き続き活動を充実したものにしていただきたい。」とお話をいただきました。

 実践団体の皆さんには、中間報告会での実行委員からのコメント、各団体との交流の場で得たアイデアなどを反映させて、引き続き取組を継続していただいております。

 なお、今年度の最終的な成果報告は、2016年2月20日(土)に東京都内(会場未定)で開催する予定です。防災教育にご関心のある方は、是非ご参加ください。

【防災教育チャレンジプラン事務局】